お客様が映る店舗動画は許可が必要?撮影前の声かけと同意の取り方
店内でお客様が映る動画を投稿するときの考え方を解説。声かけの例、同意の残し方、映り込みを避ける撮り方、削除依頼への対応をまとめます。
お客様の顔がはっきり映る動画を店のSNSに載せる場合は、事前に本人の同意を取るのが基本です。映り込みでも、本人が特定できる形で長く映るなら、同意を取るか、映らない撮り方に変えるのが安全です。個別の法的な判断は状況によって変わるため、この記事は一般的な運用の考え方であり、迷う場合は弁護士などの専門家に相談してください。
同意が必要になりやすい場面と、そうでない場面
同意が必要になりやすいのは、お客様の顔が正面からはっきり映り、誰かが分かる場合です。施術中の人、食事中の人、お子さん連れの家族などは、特に配慮が必要です。一方、背景に小さくぼんやり映る程度であれば問題になりにくいことが多いですが、本人が嫌だと感じるかどうかが基準になります。
お客様の側から見ると、自分の顔がSNSに載ること自体に抵抗がある人も少なくありません。店側が『問題ない範囲』と思っても、後から『やめてほしい』と言われる可能性があります。そのため、法律上の線引きだけでなく、お客様との信頼を守る運用を考えます。
- 同意が望ましい:顔がはっきり映る、長く映る、個人の特定につながる
- 配慮が必要:子ども、施術中、飲酒中、会話が聞こえる場面
- 避ける:同意のない人の顔のアップ、他のお客様のスマホ画面や持ち物
声かけの例と、同意の残し方
撮影前の声かけは短く、断りやすい言い方にします。例:『お店のSNS用に動画を撮ってもいいですか?顔が映らないようにも撮れます。お断りいただいても全く問題ありません』。この一言があるだけで、お客様は断る選択肢があると理解できます。
同意は、口頭だけでなく、可能な範囲で記録に残します。来店時のメモ、簡単な同意書、予約時の確認項目に『撮影の可否』を入れる方法があります。公開する内容と期間(SNSで公開、期間は未定)を伝え、削除を希望されたらいつでも対応できることも添えます。
- 撮影前に口頭で確認し、メモに残す
- 公開先(SNSの種類)と期間をお伝えする
- 断った人は映さない運用を徹底
- 削除の依頼先(店の連絡先)を伝える
お客様を映さない撮り方の工夫
同意をもらう手間を減らすには、最初から人を映さない撮り方に寄せるのも有効です。手元のアップ、料理や商品、スタッフの後ろ姿、空席の店内、営業前後の時間帯など、お客様がいない状況で撮影できる素材はたくさんあります。
営業中に撮る場合は、カメラの角度を壁側に向け、お客様が入らない位置にスマホを固定します。広角で店内全体を映す場合は、混雑しない時間に撮ります。編集で人物をぼかす方法もありますが、ぼかしの精度が低いと特定できてしまうため、完全な代替にはなりません。
削除依頼が来たときの対応
公開後に『消してほしい』と連絡が来たら、理由を聞く前にまず速やかに非公開にして、その後に対応します。削除を渋ると、不信感が広がり、口コミやコメントで拡散するおそれがあります。
複数のSNSやまとめサイトに載せた場合は、どこに投稿したかの一覧を持っておくと、漏れなく対応できます。他人のアカウントが店の動画を転載した場合は、まず連絡して削除を依頼し、改善されなければプラットフォームの報告機能を使います。
本記事は一般的な運用の考え方です。肖像権やプライバシーの扱いは状況により異なります。トラブルになった場合や判断に迷う場合は、弁護士など専門家に相談してください。
店内のルールとして掲示する
撮影の運用を安定させるには、店内に『お店のSNS用に撮影することがあります。映りたくない方はお声がけください』と掲示する方法があります。掲示があるだけで、声かけをしたかしないかの食い違いが減ります。
ただし、掲示は同意の代わりにはなりません。顔がはっきり映る撮影には、個別の声かけを併用します。スタッフ全員が同じ対応をできるよう、声かけの例文とNGのケースを1枚にまとめて、バックヤードに貼っておくと運用しやすくなります。
同意書の文面に入れる項目の例
同意書を用意するなら、難しい文章にせず、お客様が読んで理解できる長さにします。入れておきたい項目は、撮影の目的(店のSNSや紹介動画での利用)、公開先、公開期間の考え方、顔や名前を出す範囲、撤回したい場合の連絡先です。
たとえば『お店の公式SNS(Instagram・TikTok・YouTube)で公開します。お名前は出しません。公開後でも、ご連絡いただければ非公開にします』のような、約束できる内容だけを書きます。守れない約束を書くと、かえって信頼を損ないます。書面は専門家に確認してもらうと安心です。
よくある失敗
多いのは、常連さんだから大丈夫だろうと確認せずに載せる、スタッフの家族や友人を映して同意を取っていない、お子さんの顔をそのまま載せる、といった例です。親しい関係でも、公開の可否は別の話です。
もう一つは、同意を得たあとに内容を変えて使うことです。たとえば、店の紹介動画として許可をもらった映像を、広告として有料で配信すると、同意の範囲を超える可能性があります。使い道を変える場合は、あらためて確認します。
- 親しい人にも毎回確認する
- 子どもが映る場合は保護者に確認
- 同意の範囲外(広告利用など)に使わない
- 同意の記録を日付つきで残す