ナレーション原稿は1秒何文字?秒数から文字数を逆算する方法と測り方
日本語のナレーションは1秒あたり4〜6字前後が目安です。尺から文字数を逆算する式と、自分の速度を測る手順、読点の入れ方を解説します。
ナレーション原稿の文字数は、1秒あたり4〜6字前後を目安に逆算できます。たとえば30秒なら120〜180字ほどです。ただし話す速さ、声の種類、間の取り方で大きく変わるので、最終的には自分の声(または使う音声)で測った数字を使うのが確実です。
尺から文字数を逆算する式
基本の式はシンプルです。「話す時間(秒)×1秒あたりの文字数=原稿の文字数」。話す時間は動画の尺そのものではなく、そこから無音の部分を引きます。
たとえば30秒の動画で、冒頭の0.5秒、画面切り替えの間、最後の余韻をあわせて4〜5秒の無音があるなら、実質の話す時間は25秒前後です。1秒5字で話すなら125字が上限の目安になります。
- 30秒の動画:話す時間を25秒前後と見て、およそ100〜150字
- 60秒の動画:話す時間を52秒前後と見て、およそ210〜310字
- 15秒の動画:話す時間を12秒前後と見て、およそ50〜70字
数字は目安です。早口を売りにするジャンルと、落ち着いた解説では、適切な数値が違います。
自分の速度を測る3ステップ
1つ目:100字ほどの原稿を用意し、普段の動画で話す調子で読み、ストップウォッチで測ります。2つ目:文字数を秒数で割り、1秒あたりの文字数を出します。3つ目:その数字を、これから書く原稿の基準にします。
測るときは、文字数をカウントする際にひらがなも漢字も同じ1字として数えます。数字や英字が多い原稿は読み方によって音数が変わるので、「2026」を「にせんにじゅうろく」と読むかどうかなど、実際の読みで確認してください。
AI音声(読み上げソフト)を使う場合も、速度設定によって変わります。速度の設定値を固定したうえで、同じ方法で測りましょう。
読点と改行で「間」を設計する
文字数が合っていても、間がないと聞き取りづらい原稿になります。読点(、)は、軽い息継ぎのつもりで入れます。長い一文は、30字を超えたら切ることを検討してください。
大事な言葉の直前に一拍置くと、強調の効果が生まれます。台本では「/」や改行で間を書いておくと、収録や字幕のタイミング調整がしやすくなります。
- 例:「実は、/この方法は失敗しにくいんです」
- 例:「結論から言います。/やめたほうがいいです」
文字数計算の実例:3つのケース
具体例で確認してみましょう。ケースA:落ち着いた解説調で、1秒4字の人が45秒の動画を作る場合。無音を5秒引いた40秒に4字をかけて、約160字が目安です。ケースB:テンポのよい紹介で、1秒6字の人が30秒の動画を作る場合。無音を4秒引いた26秒に6字で、約156字。同じ尺でも、人や調子で書ける量はほぼ同じになることもあれば、大きく違うこともあります。
ケースC:AI音声を使う場合。速度を標準にした状態で100字を再生し、秒数を測ると、1秒あたりの文字数が分かります。再生速度を上げると文字数は増やせますが、聞き取りにくさとのバランスが必要です。最初の数本は余裕を持った文字数で作り、実際の尺を見ながら調整してください。
字幕の表示時間との関係
ナレーションに字幕を付ける場合、字幕は声より少し長く表示すると読みやすくなります。1画面に表示する文字数は、読みやすさの観点から1〜2行・合計20字前後に収めるとよいとよく言われます。ナレーションが速いと、字幕が追いつかず、読むのを諦める人も出ます。
ナレーションの文字数を決める際は、字幕の読みやすさも考慮し、長い文は途中で区切って複数の字幕に分けましょう。字幕の設計は、サイト内の「音を消しても伝わる。テロップ・字幕設計の基本」も参考になります。
字数計算を台本ツールに取り入れる
毎回電卓で計算するのは面倒なので、表計算ソフトに「文字数」「想定秒数」を出す仕組みを作っておくと便利です。文字数を数える関数で原稿の長さを出し、自分の1秒あたりの文字数で割れば、想定の読み上げ時間が分かります。
この想定時間が尺を超えている場合は、その場で削る判断ができます。ただし、計算上は収まっていても、実際に読むと息継ぎで長くなることがあります。最終的には、必ず音読して計測してください。機械的な計算は、あくまで書く段階の目安です。
よくある失敗
1つ目は、尺ぴったりの文字数を詰め込むこと。余白がなく、編集で字幕や効果音を入れる余地がなくなります。2つ目は、書いた文字数だけを信じて読み上げをテストしないことです。声に出すと、文章では気づかなかった言いにくい箇所が見つかります。3つ目は、早口で収めようとして聞き取れなくなることです。
収録前に一度通しで読み、オーバーしたら文字数を削る、が基本です。削る順番は、前置き、重複した言い換え、補足の順に考えると内容が崩れません。