お客様の声を動画にしてもいい?口コミ紹介の許可・表現と、ステマにならない注意点
お客様の感想や口コミをショート動画で紹介するときの許可の取り方、表現の注意点、ステルスマーケティングを避ける考え方を解説します。
お客様の声を動画で紹介するときは、本人の許可を得て、事実に沿った範囲で載せ、広告との区別をはっきりさせることが基本です。お客様の声は、新しい見込み客にとって最も参考になる情報の一つですが、扱いを間違えると、信頼を損なうだけでなく、規制にも関わります。この記事は一般的な考え方であり、判断に迷う場合は専門家に相談してください。
お客様の声を載せる前の許可
お客様が書いた口コミや、会計時にいただいた感想でも、店のSNSで公開する場合は、事前に許可をもらいます。口コミサイトやSNSの投稿は、公開されていても、転載するには別の許可が必要な場合があります。
許可を取るときは、使う目的(店のSNSや動画で紹介する)、公開する内容(文章のみか、名前や顔も出すか)、公開する期間を伝えます。許可はメッセージなど記録に残る形で残し、あとから撤回の申し出があったときは速やかに削除します。
- 使う目的と公開先を説明する
- 名前や顔を出すかを本人が選ぶ
- 許可の記録を残す
- 撤回の申し出に速やかに対応する
内容を変えてはいけない
お客様の言葉を、店に都合のよいように編集するのは避けます。一部を切り取って意味を変えたり、褒め言葉だけを抜き出して脚色したりすると、誤解を与える表示になる可能性があります。
文章を短くする場合は、本人の意図が変わらない範囲にとどめ、必要なら確認をとります。『効果があった』『治った』『痩せた』など、体験を効果として断定する内容は、個人の感想であっても、誇大な印象を与えるおそれがあるため、載せ方に注意します。
ステルスマーケティングとは何か
広告であるにもかかわらず、広告であることを隠して、第三者の感想のように見せる行為は、ステルスマーケティングとして問題になります。店が依頼や対価を提供して書いてもらった感想を、自然な口コミのように載せるのはその典型です。
店が無償で提供した商品やサービスの感想を載せる場合も、関係性が分かる表示が求められています。『PR』『広告』『提供を受けて投稿』など、見る人が一目で分かる表示を、見やすい位置に置きます。ルールは変更されることがあるため、最新の指針は公式な案内で確認してください。
ステルスマーケティングの規制は、2023年に景品表示法の枠組みで運用が始まりましたが、細かい判断は個別の事案によります。詳細は消費者庁の案内を確認し、必要なら専門家に相談してください。
見せ方の例と、避けたい例
良い例:『ご来店いただいたお客様に、許可をいただいて、感想を紹介します』と最初に伝え、感想の全文または意味を変えない抜粋を字幕で見せます。名前は出さず、『30代のお客様』など、特定されにくい形にします。
避けたい例:感想を店側が書いた文章を、お客様の声のように見せる、お礼として割引を提供したことを伏せて感想を載せる、悪い評価を削除して良いものだけを並べる、といった行為です。誠実さを保つため、批判的な意見に対しても、真摯に対応する姿勢を示すほうが、長期的な信頼になります。
お客様の声を集める仕組み
感想をもらうには、お願いの仕方が重要です。会計時や施術後に、『よろしければ感想を聞かせてください。SNSでご紹介してもよいか、後日お聞きします』と、強制にならない言い方で伝えます。アンケートに『公開の可否』の項目を入れておくと、確認が一度で済みます。
お客様の声は、動画だけでなく、店内の掲示やプロフィールにも活用できます。使うたびに許可の範囲を確認し、期限が過ぎたものは更新します。
台本例:許可を得て感想を紹介する(約25秒)
お客様の許可を得た前提の台本例です。感想の内容は仮のものとして置いています。
【冒頭】『ご来店いただいたお客様から、嬉しいお言葉をいただきました。許可をいただいて、ご紹介します』。【感想】字幕で『スタッフの方が丁寧に説明してくれて安心しました(30代・女性)』。【締め】『これからも、ひとつずつ丁寧にご案内します』。
お客様の言葉は、本人の許可を得た範囲で、そのまま引用します。店側が文章を書き換えたり、広告を口コミのように見せたりしないでください。
やってはいけないことの整理
お客様に謝礼を渡して感想を書いてもらい、広告と書かずに投稿する。悪い評価を隠して良い評価だけを載せる。スタッフの家族や友人に、客を装って書かせる。これらは、見る人を誤認させる行為になりえます。
お客様の声は、数が少なくても、本物であることが一番の価値です。誠実に集め、誠実に伝えることを徹底してください。