商品をもらった(ギフティング)ときの紹介はPR表記が必要?自腹購入との書き分け方
無償提供や贈られた商品を動画で紹介するときの考え方。広告になる場合とならない場合の見極め、表示の位置、断り方、迷ったときの対応を整理します。
商品を無償で提供された場合や、企業から依頼を受けて紹介する場合は、基本的に『PR』など広告であることが分かる表示を、視聴者が気づける位置に入れる必要があります。迷うときは『表示しておく』方向で判断するのが安全です。ここでは、考え方と書き分けのポイントを整理します。なお、法的判断が必要な場合は専門家への相談をお勧めします。
なぜ表示が必要になるのか
企業が発信内容に関与している投稿を、一般の個人の感想のように見せかけると、視聴者が広告と気づけず、誤解が生じます。このため、企業の関与が分かる形で表示することが求められています。個人のSNSでも、企業から商品や報酬、金銭以外の便益を受けて発信する場合は、対象になり得ます。
ルールの詳細は、政府や関係機関が示す資料に基づいて判断されます。最新の運用指針は、消費者庁などの公式情報で確認してください。
「もらった」にもいくつかの種類がある
一口に『もらった』と言っても、状況は様々です。判断の目安として、次のように分けて考えます。
- 企業から依頼があり、商品を提供されて紹介する:広告として表示が必要になる可能性が高い
- 報酬を受け取って紹介する:表示が必要
- 友人や家族から個人的に贈られた:企業の関与がなければ、通常は広告に当たらない
- 自腹で購入した:企業の関与がなければ表示は不要。ただしアフィリエイトリンクを付ける場合は別途表示が必要
上記は一般的な目安です。契約内容や関与の度合いによって判断が変わります。
表示の位置と書き方
表示は、視聴者が見落とさない位置に、分かりやすい言葉で入れます。動画の冒頭付近の字幕で『#PR』『提供:〇〇』と示し、説明欄・キャプションにも同様に書きます。小さい文字や、他のハッシュタグに埋もれる位置、長い説明の最後にだけ置く方法は、気づかれにくいため避けます。
『PR』『広告』『提供』『タイアップ』のように、広告であることが明確に伝わる言葉を選びます。『#pr』を他のタグと並べるだけでは足りない場合もあるため、字幕での表示も合わせると確実です。
書き分けの具体例
提供品を紹介する動画の冒頭字幕の例は、『〇〇様からご提供いただいた商品を紹介します(PR)』のような形です。自腹購入の場合は、『自分で購入しました』と一言添えると、視聴者にとっても分かりやすく、信頼につながります。
アフィリエイトリンクを貼る場合は、『リンク経由で購入すると、私に報酬が入る場合があります』と明記します。いずれも、実際の関係を正確に伝えることが目的です。
迷ったときの対応
表示が必要かどうか迷った場合は、企業の担当者に相談するか、表示を入れておく選択が安全です。表示を入れても、動画の価値が下がることはほとんどなく、むしろ誠実な印象になります。
複数の案件を扱う場合は、案件ごとに表示の文面をテンプレート化しておくと、入れ忘れを防げます。投稿前のチェックリストに『表示の有無』を加えておきましょう。
よくある失敗
最も多いのは、表示を入れたつもりが、小さくて見えない、または他のタグに埋もれているケースです。次に、動画には入れたが説明欄に入れていない、あるいはその逆もあります。複数の場所に入れておくと、見落としが減ります。
もう一つは、『もらったけれど、広告ではないから不要』と自己判断してしまうことです。迷う場合は、企業の担当者に確認するのが安全です。
投稿前の確認リスト
提供や報酬の有無、契約書の内容、表示の文言、表示の位置、説明欄の記載、アフィリエイトリンクの有無、の6点を確認します。毎回同じ順に確認するために、メモアプリなどにテンプレートを作っておくと便利です。
アカウントとして方針を決めておく
案件ごとに迷わないよう、アカウントとしての方針を決めておくと運用が安定します。たとえば、『提供を受けた商品には必ず冒頭字幕でPR表示を入れる』『自腹購入と提供品は、タイトルの冒頭で区別する』『効果の断定はしない』のような基本方針を、メモに残します。
方針を公開しておく(プロフィールや固定コメントで『提供品は必ず明記します』と書く)と、視聴者の信頼にもつながります。
表示以外に気をつけたい点
広告であることの表示と併せて、事実と異なる情報を伝えないことも重要です。提供を受けた商品だからといって、使っていない効果や機能を説明するのは避けます。また、企業から指定された表現があっても、事実に反する内容や、法令に触れそうな内容は、断る勇気も必要です。
依頼を受ける際は、報酬・提供内容・表現の条件・修正の範囲・公開期間などを、書面で確認しておくと、後のトラブルを防げます。