競合リサーチのシートに入れる項目。比較表の作り方と、数字より先に見るべき点
競合を見ても何を記録すればいいか分からない人へ。スプレッドシートに入れる項目、1アカウントあたり10分で済む調べ方、結果の読み方をまとめました。
競合リサーチのシートは、「数字」よりも「コンテンツの中身」を記録する列を多めにすると、後から使い物になります。再生数やフォロワー数は変動が大きく、そのまま比べても意味が薄いためです。1アカウントあたり10分、直近10本の動画を見て、テーマ・型・冒頭・投稿の頻度を記録するだけで、十分な比較表になります。
ここでは、シートの列の設計、調べ方の手順、結果の読み方、そして更新の頻度までを説明します。個人が公開情報だけで調べる範囲に限定した内容です。
シートの列の設計
列は、アカウント単位の表と、動画単位の表の2つに分けると整理しやすくなります。アカウント単位の表は全体像をつかむためのもの、動画単位の表は具体的なネタや型を拾うためのものです。まずは次の項目から始めてください。
- アカウント単位:名前、ジャンル、運用主体(個人・店舗・企業)、投稿頻度の目安、主なテーマ3つ、固定投稿や概要欄の導線、気づき
- 動画単位:投稿日、テーマ、型(比較・手順・失敗談など)、冒頭の言葉、長さ、字幕の特徴、反応の多いコメント
- 共通:自分との違い、真似しない点、取り入れたい点
1アカウント10分の調べ方
最初の2分でプロフィールと固定された投稿を確認し、何を提供しているアカウントか、どこへ誘導しているかを把握します。次の5分で直近10本を再生して、テーマと型と冒頭の言葉をメモします。残りの3分で、コメント欄を見て、視聴者が何に反応しているかを拾います。時間を区切らないと、いくらでも見続けてしまい、記録が進みません。
見る本数が多いほど正確というわけではありません。同じジャンルのアカウントを5〜10個、各10本ずつ見れば、そのジャンルで『よく使われている型』と『誰も扱っていないテーマ』の両方が見えてきます。
数字をどう扱うか
再生数は、公開されている範囲で記録して構いませんが、単体で結論を出さないでください。1本だけ極端に再生数が多い場合、その動画は特殊な要因(外部の話題、広告、他メディアでの紹介など)で伸びた可能性があります。直近10本の中央値に近い値を見ると、そのアカウントの通常の水準が分かります。
フォロワー数の差だけで、『相手のほうが優れている』と判断するのも避けてください。運用開始時期や、運用している媒体の数、他のSNSからの流入などで、数字は大きく変わるからです。数字は『規模感の目安』として、小さく記録するにとどめます。
調べる目的別の見方
競合リサーチは、目的によって見る列が変わります。差別化が目的なら、テーマの列と『自分との違い』の列を中心に見ます。企画のネタ探しが目的なら、動画単位の表で、反応の多いコメントの傾向を拾います。運用のペース感を知りたいなら、投稿頻度と、投稿時間帯の列を見ます。目的を決めてから調べると、記録も分析も効率的になります。
目的なしに情報を集めても、結局は何も決まりません。シートの先頭に『今回の調査の目的』を一行書いてから始めるのがおすすめです。
やりがちな失敗
よくある失敗は、競合の数を増やしすぎることです。10件を超えると、記録だけで疲れてしまいます。また、競合の欠点ばかり探すのも、建設的ではありません。相手の優れている点も正直に記録し、自分が学べる点を探してください。
もう一つは、調べた結果を共有せずに放置することです。チームの場合は、月に一度の会議で、シートの気づきを3つだけ共有すると、調査が実際の企画に反映されます。
競合の動画を保存するときの注意
競合の動画を、記録用に画面収録や保存することは、利用規約や著作権の観点から問題になる場合があります。シートには、リンクと自分の言葉でのメモを残すにとどめ、動画自体を保存・再配布しないでください。また、スクリーンショットを社内で共有する場合も、範囲を限定し、外部に公開しないようにしましょう。
結果の読み方
シートが埋まったら、列ごとに縦に見ていきます。テーマの列を見ると、競合が多く扱うテーマと、ほとんど扱っていないテーマが分かります。型の列を見ると、そのジャンルで標準になっている形式が分かります。冒頭の言葉の列を見ると、よく使われる出だしが見えてくるので、自分は別の出だしにして差別化する材料になります。
『自分との違い』の列は、最終的に最も価値のある部分です。ここに『相手は店舗の外観を出しているが、自分は人物を出している』などと書くと、自分の強みと独自性が整理されます。
更新頻度と注意点
シートは月に一度、新しい投稿を5本ずつ追加する程度で十分です。毎日確認する必要はありません。見すぎると、他人の動きに振り回されて、自分の企画がぶれます。
調べた結果を、そのまま真似に使わないことも大切です。競合の個別の企画を真似するのではなく、『競合が扱っていない領域』を探す目的でシートを使ってください。また、競合の投稿やコメント欄の個人情報を、記録や共有の範囲を超えて扱わないようにしましょう。
調べるのは公開されている範囲に限ります。ログインが必要な情報や、非公開の情報に踏み込む調べ方は避けてください。
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