ショート動画の投稿ログをスプレッドシートで作る。分析がラクになる列の設計
投稿ごとの数字を記録するシートの列の作り方を解説します。最初に何を記録しておけば、あとで分析・月次レポートに使えるかが分かります。
ショート動画の分析をラクにする一番の近道は、投稿のたびに記録する「投稿ログ」を持つことです。ツールが高度でなくても、スプレッドシート1枚で十分に機能します。ポイントは、後から分析できる粒度で列を決めておくことと、記入のルールを固定することです。この記事では、列の設計、記入のコツ、続けるための工夫を説明します。
列の基本設計:4つのグループで考える
列は、「何を出したか」「どう作ったか」「どうだったか」「次にどうするか」の4グループに分けると整理できます。
- 何を出したか:動画の名前、媒体、投稿日時、テーマ、シリーズ名
- どう作ったか:尺(秒)、冒頭の型(質問・結論・映像)、字幕の有無、BGMの有無、出演の有無
- どうだったか:投稿3日後と7日後の再生数、最後まで見られた割合、反応(保存・共有・コメント)、フォロー増
- 次にどうするか:所感、仮説、次回試すこと
「どう作ったか」の列が分析の差を生む
多くの人は結果の数字を記録しますが、「どう作ったか」を残さないため、後から原因を探せなくなります。冒頭の型のように、あらかじめ選択肢を決めておき(プルダウンにする)、記入の揺れをなくします。「結論先出し」「質問」「映像先出し」「自己紹介」のように、4〜6種類程度で十分です。
選択肢が決まっていれば、ピボットテーブルなどで型ごとの中央値を比べられます。ただし、ひとつの型に数本しかデータがないうちは、まだ判断に使えません。5本以上の目安に達するまで、記録だけ続けます。
数字を取るタイミングを固定する
数字は、投稿から経過した日数が違えば比較できません。「3日後」「7日後」と決めて、その日に記録します。カレンダーに通知を入れるか、投稿日から自動で記録日を計算する列を作ると、忘れにくくなります。
媒体によっては、数字の反映が遅れる、後から修正される場合があります。公式の説明を確認しつつ、「記録した日」も一列に残しておくと、あとで食い違いが出たときに理由を追えます。
入力を楽にする工夫
- プルダウン(データの入力規則)で選択肢を固定する
- 動画のURLを列に入れ、すぐ開けるようにする
- 色分けは最小限(例:中央値以下は薄いグレー)
- 列を増やしたくなったら、本当に分析に使うかを一度考える
- 週に1回、15分の「記録タイム」を決めてまとめて入力する
分析への使い方
ログが10〜20本溜まったら、次の3つを試してください。1つ目は、列ごとの中央値の比較です(型、尺、投稿時間帯)。2つ目は、上位3本と下位3本の並べ比較です。3つ目は、「次回試すこと」の列を見返し、実施できたか、結果はどうだったかの確認です。
チャンネル分析のようなツールを使えば、数字の取り込みを自動化でき、手入力が減ります。ただ、「どう作ったか」の列は制作者にしか書けません。ここだけは手で残す価値があります。
記入例:1本分の行をどう書くか
イメージを持ちやすいよう、1本分の記入例を挙げます(数字は仮のものです)。動画の名前は「コーヒー豆の選び方その1」、媒体はYouTube、投稿日時は平日の夜、テーマは「選び方」、シリーズは「コーヒー入門」。作り方は、尺28秒、冒頭は結論先出し、字幕あり、BGMあり、出演なし。
結果は3日後に再生数と最後まで見られた割合、7日後に反応とフォロー増。所感は「後半で少し落ちた。説明が長いかもしれない」、次回試すことは「説明を2文に絞る」。ここまでを2〜3分で書けるのが理想です。書き方に迷いが出ると続かないので、所感は一文までと決めてしまうのも手です。
チームで運用するときのルール
撮影・編集・投稿・分析を別の人が担当する場合、シートは共有の資料になります。誰がいつ、どの列を埋めるのかを決めておきます。たとえば「投稿者が投稿日に左側の列を、分析担当が3日後と7日後に結果の列を、全員が週次会議で所感を埋める」といった役割です。
入力ミスを防ぐために、日付や数字の列には入力規則をかけます。また、シートの更新履歴を残せる状態にしておくと、数字が書き換わった際の追跡ができます。共有範囲は必要な人だけに絞り、権限は閲覧と編集を分けてください。
既存の動画をさかのぼって記録する方法
すでに数十本投稿している場合も、遅くありません。まず直近20本程度を、新しいシートに書き写します。「どう作ったか」の列は、動画を見返して記入します。ここで過去の動画を見直すこと自体が、有用な振り返りになります。数字が取れない古い動画は、空欄のままで構いません。完璧なデータを目指すより、今日から記録を始めることが大切です。
よくある失敗
列を最初から増やしすぎて、記入が面倒になり、1か月で更新が止まるのが典型的な失敗です。最初は6〜8列から始め、使わなかった列は消してください。また、シートを個人のメモとして作ってしまうと、チームで運用する際に混乱します。チームで使う場合は、記入ルールの説明書きをシートの先頭に残しておきましょう。
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