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企業のSNS運用ガイドラインの作り方。ショート動画の担当者が迷わない項目と書き方

ショート動画編集部byNobiru AI
約8分で読めます

ガイドラインがないと、担当者の判断が人によってぶれ、事故の原因になります。ショート動画の運用に必要な項目と、現場で使われる書き方を雛形つきで解説します。

企業のSNS運用ガイドラインは、禁止事項を並べた長い文書ではなく、担当者が迷う場面で判断できる短い文書にするのが成功の鍵です。目安としては、A4で3〜5枚程度に収め、「目的」「トーン」「やってよいこと」「やってはいけないこと」「判断に迷ったときの連絡先」の五つを入れます。

ショート動画は投稿のサイクルが速く、判断が現場に任されやすいため、ガイドラインがあると運用の安定感が大きく変わります。また、担当者が交代しても引き継ぎやすくなります。

ガイドラインに入れる項目

項目は多く見えますが、最初から詳細に書く必要はありません。各項目に2〜3行の基本方針を書き、運用しながら具体例を足していく形で十分です。

  • アカウントの目的と対象:何のために、誰に向けて発信するか
  • トーンと言葉遣い:丁寧さの度合い、使う・使わない言葉、絵文字や顔文字の方針
  • 投稿してよい内容・避ける内容:製品情報、社員の私生活、時事問題、政治・宗教など
  • 権利の確認:音楽、画像、フォント、他人の顔、他社の商標の扱い
  • 出演者の同意と情報管理:社員・顧客・取引先が映る場合の手順、機密情報の確認
  • 承認フロー:誰がいつまでに確認するか
  • コメント・DMへの対応方針:返信の基準、削除や報告の基準
  • 緊急時の連絡先:炎上、誤情報、権利侵害を見つけたときの報告先

「禁止」だけでなく「こうすればよい」を書く

禁止事項の列挙だけだと、担当者は萎縮し、何も出せなくなります。たとえば「他社の悪口を言わない」だけでなく、「他社と比べるときは、客観的に確認できる事実だけを、法務の確認を受けて使う」と、代わりの行動を書きます。

また、判断のグレーゾーンには、実際にあった例を使うと伝わります。『こういう動画は出してよい、こういう動画は上司に相談』という具体例を5〜10個載せると、担当者の判断の基準が揃います。例を作るときは、実在の企業や個人の事例を名指しせず、自社で想定される場面を使ってください。

作成の手順:現場の声から作り、関係部署で確認する

ガイドラインを担当者一人で作ると、実情に合わない文書になりがちです。まず、広報・法務・人事・情報システムなど、関係部署に簡単なヒアリングを行い、懸念を集めます。次に、ドラフトを作り、実際に運用する担当者に使ってもらって、分かりにくい箇所を直します。

最後に、承認者(部門長や役員)の了承を得て、全社に周知します。特に、社員が個人でSNSに会社のことを投稿する場合の扱いは別のルールが必要なので、企業アカウントの運用ルールとは分けて整理します。

定着させるための工夫と、見直しのタイミング

ガイドラインは配るだけでは読まれません。担当者向けに30分の説明会を開き、事例を使って質疑応答をすると理解が深まります。承認依頼のテンプレートにも、ガイドラインのチェック項目を入れておくと、日常の運用の中で参照されます。

見直しは、半年に一度か、事故やヒヤリハットが起きたときに行います。プラットフォームの規約や、社会の受け止め方も変わるので、一度作って終わりにしません。改訂履歴と日付を残し、どのバージョンを使っているかが分かるようにしてください。

法律に関わる項目(景品表示法、著作権、個人情報など)は、必ず法務担当または弁護士の確認を受けてください。この記事は一般的な運用の考え方を示すもので、法的助言ではありません。

雛形:トーンと言葉遣いの項目の書き方

トーンの項目は、形容詞だけで終わらせず、具体的な基準を書きます。たとえば「親しみやすく、でも馴れ馴れしくない」だけでは人によって解釈が分かれます。「語尾は『です・ます』を基本にする」「顧客を『お客様』と呼ぶ」「流行語は、意味を確認したうえで、月に1回までにする」といった具体的なルールにすると、誰が書いても一定のトーンが保てます。

同様に、絵文字や顔文字、ハッシュタグの付け方、自虐ネタの可否、他社への言及の可否も、判断が分かれやすい論点です。最初の版は仮のルールとして運用し、実際の投稿で迷いが出たところに追記する方法が、実用的です。

社員の個人アカウントとの線引き

社員が個人のSNSで会社のことに触れる場面は、企業アカウントの運用とは別に考える必要があります。企業アカウントのガイドラインでは、社員の個人投稿を会社の公式見解として扱わないこと、会社の許可なく機密情報を投稿しないことなどを、別紙のソーシャルメディアポリシーとして整理するのが一般的です。

ただし、社員の個人アカウントの発信を制限しすぎると、権利や自由との関係で問題になる場合もあります。内容は人事・法務と相談して決めてください。

よくある失敗:厳しすぎて誰も使えない、ゆるすぎて意味がない

厳しすぎるルールは、担当者が隠れて個人判断で動く原因になります。ゆるすぎるルールは、事故のときに『ルールがなかった』と責任の所在を曖昧にします。運用の速度とリスクのバランスを、関係者で話し合って決めることが大切です。

ルールを設けるときは、なぜそのルールがあるのかという理由も一言添えてください。理由が分かれば、想定外の場面でも担当者が自分で判断できます。