動画制作の進行管理表の作り方。スプレッドシートで状況を一目にする項目
ショート動画を複数本同時に進めるための進行管理表の作り方を解説。列の構成、ステータスの決め方、更新ルール、見落としを防ぐ工夫を紹介します。
進行管理表は、スプレッドシート1枚に「1本の動画=1行」で並べ、ステータスと担当、期限を載せるだけで十分に機能します。凝ったツールを入れる前に、まず1枚の表で運用を回してみるのが、続けやすく失敗も少ない方法です。この記事では、列の構成、ステータスの決め方、更新ルールを具体的に整理します。
管理表で解決したいこと
複数の動画が同時進行すると、頭の中では管理しきれなくなります。どの動画が編集待ちで、どれが確認待ちで、どれが公開待ちなのかが曖昧になると、確認の見落としや公開の抜けが発生します。管理表の目的は、きれいな表を作ることではなく、「今、誰のところで止まっているか」を誰でも分かるようにすることです。
最低限そろえたい列
最初に作る列は、次の程度に絞ってください。
- 管理番号(動画ごとに一意の番号)
- 動画のタイトル、または仮題
- 目的(認知・来店・保存など)
- 公開予定日
- 現在のステータス
- 今ボールを持っている人(担当)
- 次のアクションの期限
- 素材・指示書・初稿のリンク
- 備考(修正回数、注意点)
列を増やしすぎると更新が面倒になり、情報が古くなります。最初は少なめに始めて、必要が出たら追加する方針がおすすめです。
ステータスは担当者が一人に決まる粒度にする
ステータスは、工程に沿って6〜8個程度に決めます。例として、企画中、台本確認待ち、撮影待ち、素材受け渡し済み、編集中、初稿確認待ち、修正中、最終確認待ち、公開待ち、公開済みのように並べます。大事なのは、各ステータスの「次に動く人」が一人に決まることです。
たとえば、初稿確認待ちなら依頼者、修正中なら編集者、というように担当を固定しておきます。ステータスの定義があいまいだと、「確認待ち」が何を確認するのかで混乱が起きます。定義を表の上部やコメントに明記しておくと、関わる全員が同じ意味で使えます。
色分けと自動表示で見落としを防ぐ
表の見やすさを高める工夫として、ステータスごとに色分けする方法があります。スプレッドシートの条件付き書式を使えば、期限が過ぎている行を自動で赤くすることもできます。期限切れが目立つ表は、見落としを大きく減らします。
また、公開予定日の順に並べ替えられるフィルタを設定しておくと、直近で公開する動画から優先して確認できます。フィルタ表示は個人ごとに設定できるものを使えば、他の人の見え方に影響しません。具体的な操作方法は利用するサービスの公式ヘルプで確認してください。
更新ルールを先に決める
更新のルールを決めないと、表はすぐに形骸化します。ルールの例を挙げます。
・ステータスを変えた人が、その場で表も更新する
・更新したら、次の担当にチャットで一言知らせる
・週に1回、決まった曜日に全行を見直す時間を設ける
・公開済みの行は、月末にまとめて別シートへ移す
特に、「更新した人が通知する」という習慣は、チャットと表が二重管理にならないための要です。
振り返りに使うときの考え方
表が育ったら、集計用のシートも追加できます。たとえば、動画ごとの初稿までの日数、修正回数、公開後の反応の数値を、同じ表に追記していくと、運用の振り返りに使えます。どの種類の動画が修正が多いのか、どの担当の段階で時間がかかるのかが見えると、指示書や分担の改善点が具体的に分かります。
ただし、記録の目的を忘れないでください。数字を集めること自体が目的になると、入力作業が負担になり、運用が止まります。表は運用を軽くするための道具であり、続けられる量に絞って使うことが最優先です。
表の作り方の具体例
管理表を作るときの具体例を示します。週に3本投稿する店舗アカウントなら、1行目に見出しを置き、2行目以降に動画を1本ずつ追加します。管理番号は「2026-W43-01」のように、年・週・連番で付けると並べ替えやすくなります。ステータスの列にはプルダウンを設定し、決められた選択肢以外を入力できないようにします。入力ミスや表記の揺れを防げます。
担当の列にも選択式を設定しておくと、フィルタで「自分が今対応すべき行」だけを表示でき、各メンバーが自分のタスクをすぐ確認できます。
よくある失敗と対策
よくある失敗は三つです。一つ目は、列が多すぎて更新されなくなること。二つ目は、ステータスの意味が人によって違い、確認待ちが誰のボールか分からなくなること。三つ目は、管理表とチャットの情報が食い違うことです。
対策として、表には「現在の状態」だけを書き、経緯や議論はチャットに残すという役割分担を決めておくと、二重管理の負担が減ります。また、完璧な表を最初から作るより、数週間運用してから列を追加・削除する進め方が、結果的に実用的な表になります。
公開後の記録にも使う
管理表は、公開後の記録にも使えます。公開日、投稿先、使ったタイトル、反応の目安となる数値を同じ行に追記しておくと、後で見返したときに、制作の経緯と結果を一緒に確認できます。ただし、数字の記録は、続けられる範囲に留めてください。見返すのは月に一度程度で十分です。管理表は、日々の進行を整え、振り返りにも使える土台として育てていくのがよいでしょう。