ショート動画から問い合わせが来たか分からない問題。計測の仕組みの作り方
ショート動画の成果が問い合わせにつながったかは、何も設定しないと分かりません。リンク、アンケート、専用窓口など、現実的に使える計測方法を整理します。
ショート動画から問い合わせや応募がどれだけ生まれたかを知るには、見込み客に至る道筋のどこかに「目印」を付ける必要があります。方法は、リンクに目印を付ける、問い合わせ時にきっかけを聞く、動画専用の入口を作る、の三つが現実的です。完璧な計測は難しいため、複数の方法を組み合わせ、傾向をつかむ姿勢が大切です。
「計測できないから効果が分からない」と諦めると、社内で運用を続ける理由を示せなくなります。逆に、計測の精度を求めすぎて運用が止まるのも本末転倒です。
方法1:リンクに目印を付ける
プロフィールに貼るリンクに、流入元が分かる目印(URLパラメータ)を付けると、アクセス解析のツールで、SNSからの流入を区別できます。パラメータの付け方は、使うアクセス解析ツールのヘルプに書かれています。流入元の名前(例:shorts、tiktok)を統一して、あとで集計しやすくしておきます。
注意点は、動画から直接リンクを押す人は少数で、多くは動画を見たあとに社名やサービス名を検索して来訪する、ということです。リンク経由の数字は、実際の影響の一部しか表さないと考えておきます。
方法2:問い合わせ時に「きっかけ」を聞く
問い合わせフォームや応募フォームに、『当社を知ったきっかけ』の選択欄を設け、ショート動画(プラットフォーム名)を選択肢に加えます。電話や商談の場でも、担当者が最初に聞く習慣を作ります。この方法は、検索経由で来た人も含めて把握できる利点があります。
選択式にすると回答率が上がりますが、『その他』欄の自由記述に重要な情報が入ることも多いので、定期的に読んでください。聞き方を営業現場と共有し、記録を同じ表にまとめます。
方法3:動画専用の入口を作る
専用の入口は、計測が確実になる一方で、運用の手間が増えます。特典を設ける場合は、景品表示法などの規制の対象になる場合があるので、法務に確認してください。
- 動画専用のランディングページ(動画と同じ言葉で課題を説明するページ)
- 動画内で案内する専用の資料請求フォームやキャンペーンコード
- 店舗なら、動画を見たと伝えると受けられる特典(景品表示法の範囲で設計する)
- 専用の電話番号やメールアドレス(運用負担と費用を見て判断)
数字の読み方:小さな数字を過信しない
BtoBの問い合わせは、そもそも件数が少ないため、月に数件の増減で一喜一憂しがちです。複数月の累計で傾向を見ます。また、問い合わせの質(予算や時期が合うか、商談に進んだか)も記録し、件数だけで評価しないようにします。
動画から直接の問い合わせにならなくても、認知を高めて他の経路の問い合わせを後押ししている可能性があります。営業担当者へのヒアリングで、『動画を見たと言われた』という声を集めるのも有益です。
プライバシーへの配慮
アクセス解析や計測ツールを使うときは、個人情報の取り扱いに関する自社の方針と、法令を守ります。Cookieの利用などについてのサイト上の説明が必要な場合もあります。個人を特定する情報の収集や、第三者のツールへの提供は、法務・情報システム部門と確認したうえで進めてください。
計測ツールの仕様や設定方法は、サービスごとに異なり、変更されることもあります。実際の設定は、各ツールの公式ヘルプを確認してください。
例:一つの動画の貢献を追ってみる
仮に、BtoBサービスの紹介動画を公開した月を考えます。その月に、資料請求が増えたとします。リンクの目印を見ると、SNS経由の来訪は少数でした。ところが、フォームの『知ったきっかけ』には、ショート動画を選んだ人が複数いて、営業担当者のメモにも「動画を見た」と書かれていた。このとき、リンク経由の数字だけでは動画の貢献を過小評価していたことが分かります。
このように、複数の方法で見ると、全体像に近づけます。逆に、全ての方法で動画の痕跡がほとんど見えないなら、動画の内容や導線に課題がある可能性が高いと判断できます。
社内で数字を共有するときの注意
計測の数字を社内に共有するときは、『ここまでは測れている、ここからは測れていない』を明記します。測れていない部分を『ゼロ』として扱うと、動画の貢献を誤って低く伝えてしまいます。一方、測れていない部分を『きっと貢献している』と断定するのも正確ではありません。
事実としての数字、推定としての数字、分からない部分を区別して書く。その誠実さが、社内での信頼につながります。
最小構成で始める例
これだけでも、動画の貢献を示す材料が手に入ります。余裕が出てから、専用ページなどを追加してください。
- プロフィールのリンクに流入元の目印を付ける
- フォームに「知ったきっかけ」の欄を追加する
- 営業・サポートに、きっかけの聞き取りと記録をお願いする
- 月に一度、動画経由の件数と質をまとめて確認する