レシピ動画で調味料や調理器具を紹介するとき、PR表記はどう書く?
企業から商品の提供を受けて料理動画で紹介するなら、広告であることの明示が必要です。ステマ規制の考え方、表記の位置と文言の例、自腹購入との区別を整理します。
料理動画で調味料や調理器具を紹介するとき、企業から報酬や商品提供を受けているなら、視聴者に分かる形で「広告・PR」であることを示す必要があります。自分で購入した商品でも、企業との関係があれば表示が必要になる場合があります。本記事は一般的な考え方の整理であり、個別の判断は消費者庁などの公式情報や専門家に確認してください。
なぜ表示が必要なのか
景品表示法に基づく、いわゆるステルスマーケティング(ステマ)規制では、広告であるにもかかわらず、広告であることが一般の消費者に分からない表示が問題とされます。企業が発信者に依頼して投稿させ、その内容に関与している場合、発信者が自分の感想のように見せても、実質的には広告にあたる可能性があります。
料理動画は、調味料やフライパン、家電などを具体的に使う場面が多く、商品が自然に映り込みます。映り込みが偶然なのか、依頼によるものなのか、視聴者は区別できません。だからこそ、依頼を受けた場合は明示する姿勢が信頼につながります。
提供・贈呈・自腹の区別
実際の場面では、関係の度合いがさまざまです。次のように整理して考えると、迷いにくくなります。
- 報酬を受け取って紹介:広告として明示が必要
- 商品の無償提供を受けて、紹介を条件に依頼されている:広告として明示が必要となる可能性が高い
- 商品は送られてきたが、紹介を依頼されておらず、自由に感想を述べている:状況によるため、念のため「いただきました」と書くと誠実
- 自分で購入して、企業から一切の関与がない:広告ではないが、そう書いておくと誤解を防げる
上の整理は一般的な目安です。契約内容や関与の程度によって判断が変わるため、依頼元の指示や公式の資料を確認してください。
表記の位置と文言の例
表示は、視聴者が見落とさない位置に、はっきり書く必要があります。動画の中では、冒頭の画面にテロップとして「PR」「広告」「〇〇社提供」と入れる方法が分かりやすいです。概要欄の最後だけに小さく書く、ハッシュタグの末尾にまぎれこませる、といった方法は、見落とされやすく適切とは言えません。
文言は、「#PR」だけで済ませず、「この動画は〇〇社から商品提供を受けて制作しています」のように、関係が具体的に分かる書き方がより親切です。動画の冒頭と概要欄の両方に書くと、見落としにくくなります。
プラットフォームの機能を使う
多くのプラットフォームには、有償プロモーションや広告であることを示す専用の機能や設定があります。YouTubeでは、有料プロモーションを含むことを示す設定があり、TikTokやInstagramにも類似のラベル機能があります。ただし、名称や場所、利用条件は変更されることがあるため、必ず最新の公式ヘルプで確認してください。
専用機能を使っていても、動画内のテロップや概要欄での説明を併用することをおすすめします。ラベルは小さく表示されることがあり、視聴者が気づかない場合があるからです。
紹介の内容でやってはいけないこと
広告であることを示しても、商品の効果を事実と異なる形で伝えることは許されません。たとえば、調味料を使って「これだけで誰でもプロの味になる」のような断定や、根拠のない最上級表現は避けましょう。自分が実際に使って感じたことを、具体的な事実として伝えます。
健康に関わる食品を紹介する場合は、特に注意が必要です。「痩せる」「病気に効く」など、医療や健康への効果をうたう表現は、法令に触れる可能性があります。避けるか、依頼元と確認のうえで慎重に扱ってください。
よくある疑問:映り込みや好きな商品はどうする?
企業と関係なく、もともと愛用している調味料が映り込んでいるだけなら、広告にはあたらないのが一般的です。ただし、後から企業と取引が始まった場合は、その後の動画で関係を示す必要があります。過去の動画の表示は、状況に応じて見直すと誠実です。
また、アフィリエイトリンクを貼る場合も、報酬が発生するため、そのことを明記します。リンクの有無だけでなく、動画の内容が広告にあたるかどうかを、定期的に見直してください。
案件を受ける前に確認したいこと
PR案件を受ける際は、契約前に、表示の方法や位置の指示があるかを確認します。依頼元が表示の仕方を指定していない場合でも、自分から「冒頭に表記します」と伝えておくと、後のトラブルを避けられます。
また、紹介する商品の特徴について、依頼元から渡された説明をそのまま使う場合は、内容が事実かどうかを自分でも確認します。効果や味についての断定的な表現は、根拠が確認できない限り使わないようにします。
よくある質問
Q. #PRだけで足りますか。 A. ハッシュタグだけだと見落とされることがあります。冒頭のテロップと概要欄の説明も併用するのが安心です。
Q. 自腹で買った商品の場合は。 A. 企業と関係がなければ広告ではありませんが、誤解を避けるために「自分で購入しました」と書く方法もあります。
まとめ
PR表記は、視聴者との信頼を守るための基本動作です。依頼や提供があれば、冒頭のテロップと概要欄の両方に、分かりやすい文言で明示してください。迷った場合は、書いておくほうが安全です。次の案件を受ける前に、依頼元と表示のルールを確認しておくと、慌てずに済みます。