TikTokで商品を紹介するときのPR表記。ステマ規制と広告表示の基本
TikTokで商品やサービスを紹介する際、PR表記はなぜ必要なのか。ステルスマーケティング規制の基本と、表記の書き方の考え方を整理します。
企業から金銭や商品の提供を受けて商品を紹介する場合、広告であることを視聴者に分かる形で示す必要があります。日本では、広告であるのに広告と分からない表示が、景品表示法上の問題になり得るとして、ステルスマーケティング(ステマ)規制の対象とされています。この記事では、基本的な考え方と、表記の工夫を解説します。法律の解釈は個別の事情によって変わるため、案件では必ず依頼元や専門家、消費者庁などの公式情報で確認してください。
PR表記が必要になる場面
「感想は自由」と言われていても、提供を受けている場合は、表示が必要になる可能性があります。迷ったら、表示しない選択ではなく、表示する選択をしてください。
- 企業から金銭を受け取って商品を紹介する
- 商品やサービスの無償提供を受けて投稿する
- アフィリエイトリンクを使って紹介する(報酬が発生する場合)
- 自社や関係会社の商品を、第三者のように装って紹介する
分かりやすい表記の考え方
重要なのは、視聴者が見て広告だと分かることです。小さな文字で投稿文の最後に埋もれていたり、大量のハッシュタグの中に紛れていたりする表記は、分かりにくいと判断されるおそれがあります。
動画の中にも「PR」「広告」などの表示を入れ、投稿文の冒頭にも記載すると、気づいてもらいやすくなります。
- 動画内のテロップ:冒頭や、商品が映る場面で表示
- 投稿文の冒頭:「#PR」「広告」「プロモーションを含みます」など
- TikTokが用意する広告・ブランドコンテンツ向けの表示機能がある場合は活用する
機能の名称や仕様は変更されます。最新の案内は公式ヘルプで確認してください。
表現面で気をつけたいこと
広告として紹介する商品について、事実と異なる説明や、根拠のない効果の表現は避けてください。特に健康食品、化粧品、医薬品関連は、法令上の制限が厳しい分野です。「飲むだけで痩せる」といった断定的な表現はリスクが高いため、依頼元のガイドラインに従いましょう。
また、本当に使っていない商品を使ったように見せる、実際より良い体験を装う、といった表現も避ける必要があります。
PR投稿のテロップと投稿文の例
表記の具体例を挙げます。あくまで一例であり、依頼元の指示や最新の規制に従ってください。
- 動画の冒頭テロップ:「【PR】◯◯株式会社様の商品を使っています」
- 投稿文の1行目:「広告|◯◯様からの依頼で紹介しています」
- 無償提供の場合:「商品提供を受けて投稿しています」
- アフィリエイトの場合:「この動画にはアフィリエイト広告が含まれます」
重要なのは、見る人が冒頭の段階で広告だと理解できることです。投稿文の最後や、タグの陰に隠す形は避けてください。
案件を受ける前に確認したいこと
お金をもらっているから良いことしか言わない、という姿勢は、長い目で見ると視聴者の信頼を失います。使ってみて合わなかった点があれば、事実の範囲で伝えるほうが、信頼につながることもあります。ただし、依頼元の意向との調整が必要になるため、事前に擦り合わせておきましょう。
- 商品の効果や特徴について、依頼元から根拠となる情報をもらえるか
- 表記の方法について、依頼元と合意できているか
- 自分が実際に使って、本心で紹介できる商品か
- 修正依頼や撮り直しの範囲が、契約で決まっているか
PR表記でよくある疑問
Q. 自分で買った商品を紹介する場合も、PR表記は必要ですか。A. 報酬や提供を受けていない場合は、広告ではないため、通常は表記の対象外です。ただし、販売元と関係がある場合などは別です。判断が難しいときは、専門家や公式の資料で確認してください。
Q. 「#PR」だけでよいですか。A. 見る人が広告と分かる形であることが重要です。ハッシュタグだけが目立たない位置にある場合は、不十分と見なされる可能性があります。動画内と投稿文の両方に、分かりやすく示すと安心です。
Q. 企業側が表記を不要と言っています。A. 企業が不要と言っても、表示義務の有無は法令に基づいて判断されます。依頼元と話し合い、必要性を確認してください。
継続的に守るための運用ルール
PR表記は、案件のたびに考えるとミスが起きやすくなります。自分の中でルールを固定して、チェックリストに組み込むのがおすすめです。
- 案件の動画は、編集の最終工程で表記の有無を確認する
- 投稿文のテンプレートに、表記の欄を最初から入れておく
- 提供を受けた商品は、受け取った日と条件を記録しておく
- 過去の投稿も、表記が漏れていないか定期的に見直す
運用のルールにする
案件を受けるなら、契約や依頼の段階で、表記の方法を確認しておくのが安心です。投稿前のチェックリストに「PR表記は入っているか」「表現は事実に基づいているか」を加えてください。誠実な表記は、長い目で見て視聴者の信頼を守ることにもつながります。