インフルエンサーの選び方。フォロワー数より先に確認したい5つの基準
インフルエンサー起用では、フォロワー数よりも、フォロワーの層、過去の投稿の内容、反応の質、相性の4点を見るほうが失敗しにくくなります。選定の手順とNG例を整理します。
インフルエンサーを起用したいとき、多くの人がまずフォロワー数で候補を探します。しかし、結論として、フォロワー数は選定基準の一部にすぎず、自社の商品を買いそうな人に届くか、投稿の雰囲気が商品に合うか、反応が本物かといった点のほうが、結果に影響すると言われています。ここでは、小規模な事業者でも使える選定の基準と手順を紹介します。数字の良し悪しの目安は業種で異なるため、断定はしません。
基準1:フォロワーの層が合っているか
その人のフォロワーが、自社の商品を使う人と重なっているかを確認します。たとえば地域密着の店舗なら、全国に向けて発信している人より、その地域に住む人が多く見ているアカウントのほうが役立ちます。
アカウントの分析画面(本人にしか見えない場合が多い)の情報を、打診の際に提供してもらえるか相談する方法があります。提供が難しい場合は、コメント欄にどんな人が反応しているかを観察して推測します。
基準2:過去の投稿の内容と信頼感
過去の投稿を、数十本さかのぼって見てみましょう。商品紹介ばかりで広告色が強いアカウントと、日常の発信の中で自然に紹介しているアカウントでは、見る人の受け取り方が異なります。また、競合他社の商品を最近紹介していないか、過去に炎上した発言がないかも確認します。
本人の語り口が自社のブランドの雰囲気に合うかも重要です。丁寧な接客が売りの店と、勢いのある語り口の人は合わない場合があります。
基準3:反応の質
いいねの数だけでなく、コメントの中身を見ます。具体的な質問や感想が付いているか、同じような短文のコメントばかりではないかを確認します。反応が少ない場合でも、小さなコミュニティで信頼が厚いアカウントは、購入や来店につながることがあります。
フォロワー数と反応の差が極端に大きい場合は、フォロワーの質を慎重に見る必要があります。判断に迷うときは、第三者の分析サービスを使う方法もありますが、数字だけに頼らず、自分の目でも確かめてください。
基準4・5:連絡の丁寧さと、ルールを守る姿勢
打診への返信が丁寧で、条件の確認や質問が具体的な人は、制作の進行もスムーズであることが多いです。反対に、条件の説明を避ける、広告であることの表示に消極的といった場合は注意が必要です。
広告であることを明示するのは、投稿者と依頼者の双方が守るべきルールです。表示の方法を事前に確認し、守ってくれる人を選びましょう。
- フォロワーの層は自社の顧客像と近いか
- 過去の投稿の雰囲気は自社に合うか
- コメントの質は具体的か
- 連絡は丁寧で、条件の確認が具体的か
- 広告表示などのルールを守る姿勢があるか
選定の進め方の手順
最初に条件を書き出し、候補を10人ほどリストにします。次に、上記の基準で確認し、3人程度に絞ります。打診の際は、依頼内容、納期、条件を簡潔に伝え、相手に判断してもらいます。いきなり多額の契約を結ぶのではなく、まず小さな規模から始めて、相性を確かめる方法が安全です。
起用後は、結果を記録して、次の依頼者選びの判断材料にします。
依頼する際は、契約内容、報酬、二次利用の範囲を文面で残してください。金額の相場は断定できませんので、複数の見積もりを比べて判断してください。
具体例:地域の洋菓子店が候補を絞る
市内の洋菓子店が、手土産需要を伸ばしたいと考えたとします。フォロワー数が多い全国向けの料理アカウントを最初に検討しがちですが、よく見ると、その人の視聴者は地域外の人が中心かもしれません。そこで、地域名を含む投稿が多く、コメント欄で近隣の人が「行ってみたい」と書いているアカウントを3人ほど選び、過去の商品紹介の雰囲気を比べます。
最終的には、フォロワー数は少なくても、投稿が丁寧で、広告表示のルールにも前向きな人に、まず1本の依頼から始める判断をします。このように、数字以外の観点を並べて比べるだけで、選定の精度は上がります。
よくある疑問
Q. フォロワーが急に増えているアカウントは避けるべきですか。A. 一概には言えません。話題になって自然に増えた場合もあります。急増の理由が説明でき、コメントの質が保たれているかを見て判断してください。
Q. 断られた場合はどうしますか。A. 条件や時期が合わないだけのことも多いです。理由を尋ね、条件を見直して再度相談できる場合もありますが、無理な説得は避けましょう。
避けたい選び方
フォロワー数だけで決める、知り合いだからと関係性だけで決める、過去に自社と似た商品を紹介していたからと実績だけで決める、といった選び方は、失敗につながりやすいです。特に、似た商品の紹介実績が多い人は、他社の広告色が強く、見る人から「また宣伝か」と受け取られる場合もあります。
また、価格の安さだけで選ぶのも危険です。費用を抑えること自体は大切ですが、動画の質、連絡の丁寧さ、ルールの順守といった点が欠けると、結果的に手間や信頼の損失が大きくなります。複数の観点を総合して判断しましょう。選定の過程を記録しておくと、次回の依頼時にも役立ちます。
よくある疑問への補足
Q. 自社のお客様に依頼するのは。A. 自然な関係が築けている場合は良い選択肢ですが、報酬や商品提供があるなら広告表示が必要です。
Q. 何件くらい候補を探せばよいですか。A. 決まった数はありません。比べられるよう、3〜5件を目安に確認すると、判断しやすくなります。