動画企画の優先順位のつけ方。迷ったときに使える3項目の採点表
案が10個あっても、どれから撮るか決められない人向け。伸びそうかどうかの勘ではなく、悩みとの近さ・撮りやすさ・再現性の3項目で点数をつける方法です。
企画の優先順位は、「見てほしい人の悩みに近いか」「今の自分たちで撮れるか」「同じ型で繰り返せるか」の3項目を3点満点でつけ、合計の高い順に撮るのがもっとも単純で再現しやすい方法です。「伸びそうかどうか」を当てにいくと、結果が出なかったときに何が悪かったのか分からなくなります。点数の根拠が言葉で残っていれば、結果と照らし合わせて基準を直せます。
ここでは、採点表の作り方と点数のつけ方の基準、実際の採点例、同点のときの扱い、運用上の注意を説明します。
3項目の採点基準
各項目を3点満点にし、あらかじめ基準を言葉にしておくと採点がぶれません。基準が曖昧なまま点数だけつけると、気分で上下してしまいます。
- 悩みとの近さ:3点=見てほしい人の具体的な悩みにそのまま答える/2点=間接的に関係する/1点=自分が話したいだけ
- 撮りやすさ:3点=今週中に今ある道具で撮れる/2点=準備が必要/1点=場所や人の手配が必要
- 再現性:3点=同じ型でシリーズにできる/2点=似た案を数本作れる/1点=1回きりのネタ
実際に採点してみる例
たとえば美容室の場合、「前髪カットのビフォーアフター」は悩みとの近さが3点、撮りやすさが3点、再現性が3点で合計9点です。一方、「店主の昔話」は近さ1点、撮りやすさ3点、再現性1点で5点になります。このように並べると、昔話が悪いわけではなく、今週は後回しでよいという判断が根拠つきでできます。
重要なのは、点数そのものより、なぜその点なのかを一言メモに残すことです。後で実際の数字と見比べると、自分の採点の癖が分かります。『撮りやすさ』を高く見積もりがちな人は、実際には編集に時間がかかっていることが多い、といった傾向も見えてきます。
採点表の運用で気をつけたい点
点数を高くしたいあまり、基準を甘くつけてしまうことがあります。『悩みとの近さ』は、実際の視聴者の声で確認できる案にだけ3点をつける、と決めておくと甘さを防げます。声が確認できない案は2点に留めます。
また、点数の高い案ばかり撮ると、同じ型が続いて見る側が飽きることがあります。直近5本で同じ型が3本以上続いたら、型を変えるというルールを追加しておくと、バランスが取れます。採点表は、自分たちの癖に合わせて育てていくものです。
同点・例外の扱い
同点のときは、直近2か月で使っていない型を優先すると、投稿内容の偏りを防げます。反対に、期間限定のイベントや季節ものは、点数が低くても時期を逃すと意味がなくなるため、締切つきの案は別枠にして先に撮ります。例外を設けるなら、例外の条件も紙に書いておくと、ルールが形骸化しません。
もう一つの例外は、新しい型の試験投稿です。点数が低くても、まだ試していない型を月に1本だけ入れる枠を作っておくと、型が固定化するのを防げます。
よくある疑問:数字の悪い案も撮るべきか
点数が低い案を撮るべきかは、目的によります。反応を狙うなら高得点の案が優先ですが、アカウントの幅を広げたい、新しい視聴者に出会いたいという目的なら、低得点の案を意図的に混ぜる価値があります。その場合は、本数の上限(たとえば月の2割まで)を決めて撮ります。
大切なのは、低得点だと分かっていて撮ることです。結果が悪くても、想定内の実験として受け止められます。理由なく撮った動画の失敗は、学びになりません。
優先順位を変えたほうがいい場面
採点表は便利ですが、状況によっては優先順位を変えるべき場面があります。たとえば、新商品の発売やイベントなど、期限のある案件が控えているときは、点数に関係なく優先します。また、アカウントの目的が『認知を広げる』から『問い合わせを増やす』に変わったときは、基準の『悩みとの近さ』を『購入や問い合わせにつながる悩み』に置き換えると、判断が目的に合います。
基準を変えたときは、変えた日付と理由をメモに残してください。数か月後に成績を見返すとき、基準が違う期間を混ぜて比較すると、誤った結論を出してしまうためです。
採点表の書式の例
表は、案の名前、3つの点数、合計、一言メモ、判定の列で作ります。判定の列は『今週撮る』『来週以降』『保留』の3択です。ここまで決めておくと、会議の場で迷いません。
チームで使う場合は、採点者ごとに列を分け、平均を取る方法もあります。点数のばらつきが大きい案は、見てほしい人のイメージが揃っていない可能性があるので、議論の優先項目にします。
採点表を続けるコツ
採点に時間をかけすぎると続きません。1案あたり30秒で決めることを目安にし、迷ったら2点にします。月に一度、点数が高かった案の実際の成績を見て、基準が合っているか確認してください。成績と点数が合わないなら、基準の言葉を直す機会です。
また、他人の採点と自分の採点が大きく食い違う案は、議論する価値があります。食い違いの理由は、見てほしい人のイメージがずれているところにあることが多く、そこを揃えるだけで企画全体の方向が定まります。
採点はあくまで判断の補助です。数字の良し悪しは時期やジャンルで変わるため、一つの動画の結果だけで基準を変えないでください。