インフルエンサーへの依頼書(オリエンシート)の書き方。伝えるべき項目と例
インフルエンサーへの依頼では、目的、伝えたいこと、守ってほしい点、納期と確認の流れをまとめた依頼書を用意すると、認識のずれによる修正が減ります。項目と書き方の例を紹介します。
インフルエンサーに動画の投稿を依頼するとき、口頭やメッセージのやり取りだけで進めると、「思っていた内容と違う」という行き違いが起きやすくなります。結論として、目的、伝えたいこと、守ってほしい点、納期と確認の流れを1枚にまとめた依頼書(オリエンシート)を用意するのがおすすめです。詳しすぎて自由度を奪うのも逆効果なので、決めるべきことと任せることを分けて書きます。
依頼書に入れる項目
最低限、次の項目を入れておくと、受ける側も判断しやすくなります。
- 目的:認知、来店、購入など、依頼者が期待する行動
- 対象:誰に届けたいか
- 伝えたいこと:必ず触れてほしい内容は1〜3点に絞る
- 守ってほしい点:禁止表現、競合の扱い、広告であることの表示方法
- 制作条件:動画の本数、長さの目安、投稿プラットフォーム
- スケジュール:確認用の初稿の提出日、修正の期限、投稿日
- 報酬と支払い:金額、支払い時期、経費の扱い
- 二次利用:広告での利用、期間、範囲の取り決め
「伝えたいこと」を絞る理由
多くの依頼者が陥るのは、商品の特徴をたくさん伝えようとして、依頼書が長くなることです。しかし、1本のショート動画で伝えられる内容は限られます。伝えたいことが多いと、動画が説明的になり、本人の言葉が少なくなって、見る人に響きにくくなります。
優先順位を付けて1〜3点に絞り、それ以外は、概要資料として別に渡して、本人が必要に応じて参照するようにします。
自由度と確認のバランス
インフルエンサーが支持されているのは、その人らしい語り口や見せ方があるからです。台本を細かく指定しすぎると、不自然な動画になる可能性があります。構成の方向性と、守ってほしいことだけを示し、具体的な演出は本人に任せる形が基本です。
一方で、商品の価格、効果の言い方、法的な表現など、間違いが許されない部分は、事前確認を必須にします。投稿前に初稿を確認する流れを決め、修正の回数や範囲もあらかじめ合意しておきましょう。
広告表示と禁止表現の伝え方
広告であることを示す表示(PR表記など)の方法は、依頼書に明記します。投稿者が迷わないよう、表示の位置や文言の例を示します。また、効果の断定や他社の比較など、避けてほしい表現の例も添えます。具体的な法令上の判断は難しい場合もあるため、不安があれば専門家に相談してください。
表示のルールは、景品表示法に基づくステルスマーケティング規制などが関係します。最新のガイドラインを確認してください。
依頼書の例(骨子)
以下は、小規模な店舗が焼き菓子の紹介を依頼する場合の骨子です。目的は「店舗への来店の増加」。対象は「近隣に住む20〜40代」。伝えたいことは「素材のこだわり」と「個包装で手土産に向いている」の2点。守ってほしい点は「他店との比較をしない」「PR表記を冒頭の説明文に入れる」。スケジュールは、初稿を提出してから確認、修正の期限、投稿日を決めます。このように具体的に書くことで、双方の認識がそろいます。
依頼書を渡すときの気づかい
依頼書は、渡して終わりではなく、内容を口頭やメッセージで補足して、相手の質問に答える時間を取ります。専門的な商品の場合は、実際に商品を試してもらい、感じたことを自分の言葉で話してもらうほうが、自然な動画になります。
また、依頼書の内容は、契約や発注書の一部として扱う場合があります。後から変更があったときは、変更点を文面で共有し、双方が確認した記録を残してください。依頼書の様式に決まりはなく、1ページ程度で十分ですが、重要な条件は漏れなく書きましょう。
よくある疑問
Q. 台本を渡してもよいですか。A. 渡すこと自体は問題ありませんが、本人の語り口と合わない場合は、不自然に見えます。参考として渡し、本人の判断で調整してもらうのがおすすめです。
Q. 報酬の相場は書くべきですか。A. 相場は一概に言えません。自社の予算と依頼内容に応じて、見積もりを取りながら金額を決め、依頼書には決定した金額を明記します。
依頼書を作るときの手順
作成は、まず自社内で目的と守ってほしい点を整理することから始めます。次に、過去に同じような依頼をした経験があれば、そのとき困った点を洗い出して、依頼書に反映します。
ひな形ができたら、社内の関係者に確認してもらい、法務的な観点(広告表示、二次利用)に問題がないか見てもらいます。最後に、実際に依頼する相手に見せ、不明点を質問してもらいます。受け手の質問は、依頼書の改善点を教えてくれる貴重な情報です。依頼ごとに内容を更新し、自社の標準フォーマットに育てていきましょう。
依頼書に添えると親切な資料
依頼書とあわせて、商品の概要資料、ブランドの雰囲気が分かる写真や過去の投稿例、よくある質問への回答を共有すると、相手が内容を理解しやすくなります。禁止表現のリストも、具体的な言い回しの例を添えると、判断に迷いません。
資料が多すぎると読まれないため、最重要の情報を1枚にまとめ、詳細は別添にする構成をおすすめします。受け手が必要なときに参照できる形にしてください。
依頼後のやり取り
依頼書を渡したあとも、制作の途中で質問があれば、早めに答えます。返信が遅いと、スケジュールに影響します。
進行の節目で、状況を簡単に確認する連絡を入れると、双方の安心につながります。