クリニック・整骨院・整体院のショート動画は何がNG?医療広告ガイドラインの基本
病院・クリニック・整骨院などがショート動画を発信するとき、医療広告ガイドラインで注意したい点を整理。体験談やビフォーアフターの扱いも解説します。
医療機関が運営するアカウントのショート動画は、医療法に基づく医療広告の規制を受ける可能性があります。結論として、院の宣伝を目的とした動画では、体験談や施術前後の写真、他院との比較、効果の保証といった表現に特に注意が必要で、判断に迷う場合は自治体の窓口や専門家に確認するのが確実です。この記事は一般的な整理であり、個別の可否を断定するものではありません。
SNSの動画も広告になり得る
厚生労働省の医療広告ガイドラインでは、広告に該当するかどうかを、患者の受診を誘引する意図があるか、医療機関が特定できるかといった観点で考えるとされています。院名や所在地が分かるSNS動画で、診療内容の宣伝をすれば、広告として扱われる可能性があります。
一方で、純粋な健康情報の提供や、スタッフの日常の紹介などは、内容次第で広告に該当しない場合もあります。ただ、境界は微妙なので、「SNSだから自由」とは考えず、ガイドラインを一度は読んでおくことをおすすめします。最新の内容は厚生労働省の公式資料で確認してください。
特に注意したい表現の分類
ガイドラインでは、誇大な広告や、患者の体験談、治療前後の写真などについて、原則として制限される考え方が示されています。ショート動画に置き換えて考えると、次のような点が要注意です。
- 患者さんの喜びの声を紹介する動画(体験談)
- 施術前後の見た目を並べて見せる動画(ビフォーアフター)
- 「必ず治る」「日本一」「最高の技術」など、保証や最上級の表現
- 他院との比較を前面に出した表現
- 過度な値引きや、費用に関する誘引的な訴求
自由診療の美容系などでは、限定条件付きで認められる例外が設けられている場合があります。条件は細かいので、必ず公式資料で確認してください。
整骨院・整体院で気をつけること
柔道整復師の施術所や、医療行為でない整体・リラクゼーションでも、広告できる内容に制限があります。たとえば、医療ではない整体が「病気が治る」「ヘルニアが改善する」といった言い方をすれば、誤解を招く表現として問題になるおそれがあります。保険の取り扱いに関する広告表現にも決まりがあります。業種ごとのルールを確認しましょう。
ストレッチや姿勢の動画を発信するときも、「この動きで腰痛が治る」といった断定は避け、「デスクワークの合間にできる背中の伸ばし方」のように、日常でのセルフケアの紹介にとどめるほうが安全です。
安全に発信するための企画案
規制を意識しつつも、発信の価値を保つ企画は数多くあります。
- 日常でのセルフケアや姿勢の基本を、断定せずに紹介する
- 院内の雰囲気、スタッフの人柄、予約の流れの紹介
- 診療時間や所在地などの基本情報の案内
- よくある質問への、一般的な情報としての回答
投稿前の確認フロー
投稿前に、院内で次の手順を決めておくとミスが減ります。まず、撮影した動画のテロップと音声を文字起こしし、断定表現や保証表現が含まれていないか、第三者が目を通します。次に、患者さんが映り込んでいないか、同意があるかを確認します。最後に、自治体の医療広告に関する相談窓口の存在を把握しておくと、迷ったときに動けます。
動画の例で考える:OKになりやすい例と注意が必要な例
具体例で考えます。「デスクワークの方向け、首まわりを伸ばす簡単なストレッチ」という動画は、一般的な健康情報の提供にとどまり、特定の症状の治癒をうたっていなければ、比較的問題になりにくい企画です。ただし、院名を大きく出して来院を誘う構成にすると、広告としての性格が強まります。
注意が必要な例は、「当院で施術した患者さんの声」「施術前後の姿勢の変化」「他院で良くならなかった方が改善」といった構成です。これらは体験談やビフォーアフター、他院との比較に当たる可能性があり、慎重な判断が求められます。
ハッシュタグ・コメント返信・ライブ配信の落とし穴
動画本編以外にも注意点があります。ハッシュタグで「#腰痛改善」「#必ず治る」を付ける、コメントで患者から寄せられた感想に「ありがとうございます、治ってよかったです」と返す、ライブ配信で症状への効果を断言する、といった場面は見落とされやすいところです。
コメント返信では、症状の個別相談には乗らず、「診察や相談はご来院の上で」と案内するのが一般的な考え方です。具体的な診断を動画のコメントで行うことは、安全面でも避けたほうがよいでしょう。
スタッフ・院長が出演するときの注意
院長やスタッフが顔出しで発信する場合、肩書の書き方にも気をつけてください。資格や経歴は、事実の範囲で正確に表記する必要があり、「カリスマ」「神の手」のような誇張した呼び名は避けるのが無難です。また、患者さんの来院シーンを撮影するなら、必ず本人の同意を得て、顔や個人情報が映らないよう配慮してください。撮影しない、という判断が最も安全です。
まとめ
医療・施術系の発信では、再生数よりも、規制に沿った信頼性が優先されます。迷う表現は使わず、セルフケアや院の雰囲気といった安全な切り口で、地道に認知を広げるのが堅実です。台本の下書き段階で言い回しを確認する際は、Nobiru AIの台本添削のような手段も使えますが、最終判断は管轄の窓口や専門家に相談してください。