美容・健康ショートで使うと危ない言葉|効果効能の断定を避ける言い換えの考え方
「治る」「痩せる」「シミが消える」など、効果を断定する表現がなぜ問題になりやすいのかと、言い換えの考え方を整理します。法令の判断は専門家と公式情報で確認を。
美容や健康のショート動画では、効果を断定する表現が目立ちます。「飲むだけで痩せる」「これでシミが消える」「病気が治る」といった言い方は、見る人の関心を引きますが、商品やサービスの宣伝として使うと、薬機法や景品表示法などの観点から問題になりうる領域です。結論として、効果効能を断定しない、体験と事実を分けて述べる、根拠を示せない表現を使わない、の3点を基本にすると安全度が上がります。
どの表現が法的に問題になるかは、商品の種類、広告の文脈、表示の仕方などによって変わります。この記事は一般的な考え方の整理で、法的判断ではありません。事業として宣伝する場合は、専門家や公的機関の情報を必ず確認してください。
なぜ断定が問題になりやすいのか
化粧品、健康食品、美容サービスなどでは、表示できる効果や効能の範囲が、制度上、限定されているとされています。医薬品のような効果をうたうこと、実際より著しく優れていると誤解させることは、規制の対象になりうると説明されます。
また、実際の効果には個人差があり、すべての人に同じ結果が出る保証はありません。「必ず」「誰でも」「絶対」といった断定は、見た人に誤解を与えるだけでなく、根拠を問われたときに説明できない表現になりやすい傾向があります。
言い換えの考え方:事実・体験・感想を分ける
言い換えの基本は、「事実」「個人の体験」「感想」を区別して述べることです。事実は、成分名や使い方など、根拠をもって説明できる客観的な情報。体験は、「私は〇週間使った」といった自分に起きたこと。感想は、「使い心地が好きだった」という主観です。効果を一般化せず、体験として述べるのがポイントです。
ただし、体験談の形をとれば何を言ってもよい、というわけではありません。個人の感想であると付記しても、広告全体の印象で効果を保証するように見えれば、問題視される場合があります。
- 避けたい:「これを飲めば誰でも痩せる」→ 考え方:効果を一般化せず、自分の取り組みの内容と期間を述べる
- 避けたい:「シミが消える」→ 考え方:使い心地や使い方の紹介に絞る
- 避けたい:「病気が治る」→ 考え方:医療に関する効果は、専門家の領域として扱い、断言しない
- 避けたい:「医師も推薦」→ 考え方:根拠のない権威付けをしない
- 避けたい:ビフォーアフターの過度な加工 → 考え方:撮影条件を揃え、加工をしない
具体的に何が表示可能かは、商品区分や規制によって異なります。必ず専門家や公的機関の資料で確認してください。
ビフォーアフター動画の注意
ビフォーアフターは、ショートで人気の構成ですが、誤解を招きやすい表現でもあります。照明、角度、姿勢、メイク、加工アプリの使用で、実際以上の差が出てしまうことがあります。比較する場合は、同じ条件で撮影し、加工をしていないことを示すのが基本です。
また、期間を明示する、個人差があることを添える、他の要因(食事制限や他の商品の併用)も含めて正直に述べる、といった配慮は、見る人への誠実さにもつながります。
インフルエンサーやスタッフが発信するとき
企業から商品を提供されて紹介する場合は、広告であることを明示する必要があります。また、企業の担当者やスタッフが商品を紹介する場合も、会社の広告と同じ扱いになることがあります。個人の意見としての発信でも、商品の宣伝である以上は、表現に気を配るべきです。
運用チームで、NG表現のリストを作って共有する、投稿前に第二の担当者が確認する、といったプロセスを整えておくと安心です。リストは、専門家や公的機関の資料を参考に、定期的に見直してください。
迷ったときの相談先
表現に迷ったら、まず商品の製造元や販売元に、使ってよい表現の指針があるか確認します。公的機関や業界団体が公開しているガイドラインも参考になります。重要な広告や大きな予算をかける場合は、専門家に事前確認をお願いしましょう。
投稿前のNGワードチェックの作り方
自社の商品カテゴリごとに、避ける表現のリストを作っておくと、確認が早くなります。リストには、断定表現(必ず、絶対、誰でも)、治療や治癒を連想させる言葉、数値で保証するような言い方、他社比較で優劣を断定する言い方などを入れます。
リストは、専門家のアドバイスや公的機関の資料を参考に作成し、更新日を記録しておきます。投稿前にテロップと音声の文字起こしを見直し、リストと照らし合わせる運用にすると、見落としが減ります。
よくある質問
Q. 「個人の感想です」と書けば大丈夫? A. 注釈を付けても、広告全体の印象で判断されるため、免責にはなりません。
Q. 成分の効果を説明するのは? A. 説明できる範囲は商品区分によって異なります。製造元の資料や公的な情報で確認してください。
疑問に思ったときの確認ルート
表現に迷ったら、製造元・販売元に確認する、公的機関の資料を調べる、専門家に相談する、の順に確認していくと整理しやすくなります。確認した結果と日付は記録に残し、社内で共有しておきましょう。