店舗のショート動画チャンネルのコンセプト設計。来店につながる見せ方を決める手順
飲食店・美容室・小売店などが、ショート動画で何を見せるかを決める手順を解説。ターゲットの設定、見せ場、継続できる体制づくりまで整理します。
店舗のショート動画は、『誰に、どの場面で来店してほしいか』を先に決めると、撮るべきものが決まります。結論として、コンセプトは『お店の紹介』ではなく、『お客様の迷いを解く情報』として設計します。メニュー、価格の目安、店内の雰囲気、入りやすさなど、来店前に不安になる点に答える動画が来店につながりやすくなります。
この記事では、ターゲット(来店してほしい人)の決め方、見せ場の決め方、撮影・投稿体制、注意点を順に解説します。特定の売上や集客数を保証するものではなく、設計の考え方です。
来店してほしい人を1つ決める
お店には複数の客層がありますが、動画の対象は1つに絞ります。たとえば、飲食店なら『仕事帰りに一人で食事をしたい会社員』、美容室なら『初めて来る不安を抱えている人』のように、状況で決めます。
決めるときは、実際の常連客や、来てほしいのに来ていない層を思い浮かべます。店の売上のうち大きな割合を占める客層に向けた動画と、これから増やしたい客層に向けた動画では、設計が変わります。最初は、増やしたい層を一つ選ぶのがよいでしょう。
お客様の迷いを書き出す
来店前のお客様は、いくつかの不安を持っています。それを書き出し、動画の企画にします。
- 入りやすいか(一人でも大丈夫か、予約が必要か)
- 価格はいくらくらいか(目安が分かるか)
- 何が名物か、何を頼めばよいか
- 混む時間帯、滞在時間、座席の種類
- 初めてでも失礼にならないか、決まりごとはあるか
価格や営業時間、キャンペーン内容は変わりやすいので、動画内の表記と最新の案内が一致しているか定期的に確認してください。
見せ場とシリーズを決める
お店の強みから、見せ場を決めます。調理の工程、仕込みの様子、スタッフの紹介、お客様の反応(許可を得て)、新商品の紹介などです。見せ場を『型』にしてシリーズ化すると、続けやすくなります。
例として、毎週1品『今日の仕込み』を30秒で見せる、月初に『今月の新作』を紹介する、お客様からよく聞かれる質問に1問ずつ答える、などがあります。撮る内容が決まっていれば、忙しい営業中でも迷わず撮影できます。
撮影体制と、写り込みへの配慮
店舗の運用でもっとも難しいのは、継続の体制です。担当者を決め、撮影の時間(開店前や準備中)を固定します。1回で複数本をまとめて撮ると負担が減ります。
撮影時は、お客様の顔が映らないように配慮します。映る可能性がある場合は、事前に掲示するか、本人の許可を得ます。従業員が出演する場合も、同意を得てください。また、食品の衛生や、表示の正確さ(産地、アレルゲンなど)にも注意が必要です。
企画の具体例:飲食店と美容室
飲食店の例です。『一人でも入れる?』という迷いに答える動画で、入店から注文、会計までを30秒で見せます。『ランチの待ち時間は?』の動画では、混む時間帯の目安を、実際の経験をもとに『よく言われるのは』ではなく『当店では』と事実で伝えます。
美容室の例です。『初めてでも緊張しない流れ』として、予約から施術後までを紹介します。施術の効果を断定せず、メニューと所要時間の目安を伝えます。いずれも、価格や時間は変わることがあるため、概要欄で確認先を案内してください。
よくある質問
『スタッフが顔を出したがらない場合は』という質問には、手元、後ろ姿、店内の様子、メニューの紹介など、顔を出さずに伝えられる企画から始める、と答えられます。無理強いは禁物です。
『競合店の悪口は言ってよいですか』については、避けるのが原則です。比較する場合は、事実のみを根拠つきで伝え、誹謗とならないようにしてください。
1か月の投稿計画の例
週2本の投稿を想定した例です。第1週は『お店の紹介(入りやすさ)』『人気メニューの紹介』。第2週は『仕込みの様子』『スタッフ紹介(希望者のみ)』。第3週は『よくある質問に答える』『季節のメニュー』。第4週は『お客様の声(許可を得て)』『来店のコツ』。
この計画を最初に作っておけば、撮影日を月に2回に絞れます。まとめ撮りの日を決め、1日で8本分の素材を撮影する運用にすると、営業との両立がしやすくなります。
来店への導線と効果の見方
動画からお店に来てもらうには、プロフィールに住所、営業時間、予約方法を明記し、地図アプリや予約ページへのリンクを置きます。動画内でも、店名と最寄り駅を一言伝えると、場所が伝わります。
効果を見るときは、再生数だけでなく、プロフィールへのアクセスや、来店時に『動画を見た』という声を確認します。レジ前で簡単にたずねる、予約時の欄に入れるなど、無理のない形で記録すると、改善に使えます。