BtoB・法人向けショート動画の冒頭。堅い商材でも最初の3秒で止まってもらう方法
法人向けの商材は、ショートでは地味に見られがちです。担当者の「困りごと」を冒頭に置く、専門用語を避けるなど、BtoBでも使える冒頭の作り方を具体例で解説します。
BtoB向けのショートでは、商品の紹介ではなく、『担当者が抱えている困りごと』を冒頭に置くのが基本です。製品名や会社名から始めると、まだ課題を認識していない相手には関係のない話に見えるためです。
ここでは、堅い商材でも使える冒頭の作り方を、台本例とあわせて整理します。
商品名ではなく「状況」から入る
たとえば経理システムを扱う会社なら、冒頭は『月末の請求書チェックに、毎回半日使っていませんか』のような、現場の状況描写が向いています。
相手が自分の仕事で起きていることとして認識できれば、動画の続きを見る理由が生まれます。商品名や機能は、課題への解決策として後半に出せば十分です。
冒頭の型:BtoB向け3種
数字を使う場合は、出典が示せるもの、または自社で測定したものに限ります。業界平均のような曖昧な数字を断定的に出すのは避けましょう。
- 現場あるある型:『会議の議事録、誰が書くかで揉めたことありませんか』
- 数字の気づき型:『見積もり1件に平均何分かかっているか、計算したことはありますか』。数字は自社の実績や実測値を使い、根拠のない数値は出さない
- よくある誤解型:『この手続き、実は紙でなくてもいいんです』。法令に関わる場合は条件を明記する
専門用語と社内用語を外す
BtoBでは、社内で当たり前に使う用語が、冒頭でそのまま出てしまいがちです。『SaaS』『DX』『オンボーディング』のような言葉は、相手が知っているとは限りません。
冒頭の一文は、できるだけ具体的な動作や状況で表現してください。理解が必要な用語は、後半に短く補足する形にします。
台本例:業務ツールを扱う企業
勤怠管理サービスを扱う企業が、担当者向けに作る場合を想定します。
修正前:『弊社の勤怠管理システムは、直感的な操作で誰でも簡単に使えます。』
修正後:『月末、タイムカードの集計だけで半日つぶれていませんか。(手書きの集計表を見せる)』
修正後は、製品の特徴ではなく、担当者の月末の状況から始まっています。製品の紹介は、課題への共感が得られたあとの中盤に置けば間に合います。
リード獲得につなげる導線
BtoBでは、再生数よりも問い合わせや資料請求につながるかが重要です。動画の最後に、見込み客に取ってほしい行動を1つだけ示します。複数の選択肢を並べると、どれも選ばれません。
プロフィールのリンク、固定コメント、概要欄の案内を整備しておきます。投稿が増えても、導線が壊れていないかを定期的に確認してください。
信頼性を損なわない表現
法人の動画では、実績や数字の根拠を明確にすることが信頼につながります。『導入実績No.1』のような表現は、調査の出典と時点を示せない限り使いません。
競合他社との比較をする場合は、事実に基づき、公平な条件で行います。誤解を与える比較は、法的リスクを伴います。社内の法務や広報の確認を通すことが、安全な運用の第一歩です。
誰に届けるかを決める
BtoBでは、決裁者、現場の担当者、情報システム部門など、見る人の立場で刺さる話が異なります。誰か1人の立場を想定して、冒頭の言葉を選びます。
役職ごとに動画を分けると効果的ですが、手間が大きいため、最初は最も接点の多い担当者から始めるのが現実的です。
継続できる運用体制
法人アカウントは、担当者の異動や多忙で更新が止まりがちです。台本のテンプレート、撮影の定位置、承認フローを決めておくと、続けやすくなります。
承認が多すぎると公開が遅れて鮮度を失うため、確認項目を絞り、チェックリスト化することをおすすめします。
担当者の愚痴を冒頭の一文にする
自社の商材について、担当者が日頃口にする愚痴や困りごとを3つ書き出します。その中から、最も多く聞くものを冒頭の一文にします。
製品名や機能は、解決策の段階まで出さずに台本を書きます。社内の確認を通したら、1本だけ投稿し、問い合わせや反応の変化を観察します。小さく試して、反応が見えてから本数を増やしましょう。
顔と声:担当者を出す意味
法人アカウントでは、社員が顔を出して話すことで、信頼感が上がることがあります。出演する場合は本人の同意を取り、社内の広報ルールも確認します。
企業の公式として投稿する場合は、事実と異なる表現や他社への誹謗中傷にあたる比較を避けることが前提です。
取引先名や顧客事例を出す場合は、必ず許可を得てください。許可がない場合は、匿名の一般化した事例として扱います。