他人のレシピや料理本の作り方を動画にしていい?著作権の考え方と注意点
料理本や他の人のレシピを見て動画にしても大丈夫か悩む人へ。アイデアと表現の違い、書き写し・転載の危険、参考元の明記など、一般的な考え方を整理します。
他人のレシピを参考に動画を作ること自体は一般的ですが、文章や写真、動画をそのまま使うと著作権の問題になる可能性があります。本記事は一般的な考え方であり、法的な判断を示すものではありません。不安な場合は、権利者に連絡するか、専門家に相談してください。
アイデアと表現の違い
一般に、著作権法が保護するのは「表現」であり、「アイデア」や「事実」そのものは保護されにくいとされます。たとえば、「卵を使って、こういう手順で作る」という調理方法のアイデアは、広く知られたものが多く、自由に使われています。
一方で、料理本に載っている文章表現や、写真、独自の言い回し、レイアウトは、表現として保護される可能性があります。レシピの手順を一字一句そのまま読み上げたり、画面に書き写したりするのは避けましょう。
やってはいけない使い方
次のような使い方は、問題になりやすいので避けてください。
- 料理本のページを撮影して、そのまま動画に載せる
- 他のクリエイターの動画やテロップを、無断で転載・流用する
- 文章や手順の表現を、ほとんど変えずに自分の言葉として使う
- 他人が撮影した料理写真を、許可なく使用する
「参考にしたから大丈夫」「出典を書いたから大丈夫」とは限りません。引用が認められる条件は厳しく、無断転載の言い訳にはなりません。
参考にして自分で作るには
レシピを参考にするなら、次の手順が安全です。まず、複数のレシピを読み比べ、共通する基本の手順を把握します。次に、自分で実際に作り、分量や火加減を調整します。そのうえで、自分の言葉で手順を書き、自分で撮影した映像を使います。
自分の工夫や、実際に作ってみて分かったコツを入れると、オリジナルの価値が生まれ、権利の問題も避けやすくなります。
参考元の明記と許可の取り方
特定の本や人のレシピをほぼそのまま紹介する場合は、参考元を明記し、必要に応じて許可を取ります。著者や出版社、クリエイターの連絡先が分かれば、使用の許可を問い合わせてください。許可の条件がある場合は、それに従います。
参考元を明記するのは、礼儀であると同時に、視聴者への情報提供にもなります。ただし、明記すれば許可なしで使ってよいという意味ではない点に注意してください。
お店のレシピを真似するとき
有名店の味を再現するレシピ動画は人気がありますが、店の名前を出す場合は、誤解を与えないようにします。公式のレシピではないのに「公式」や「完全再現」と書くと、誤認を招きます。店から依頼や許可を受けたレシピでない場合は、「自分なりに再現」といった表現にとどめましょう。
ケース:料理本のレシピを見て作る動画を出したい
たとえば、書店で買った料理本のレシピを試したいという場合です。自分で作り、感想やコツを語るのであれば、レビューや紹介の範囲として一般に受け入れられることが多いです。ただし、材料や手順の全文を画面に映したり、本のページを撮影して流したりすると、権利者の許可が必要になる可能性があります。
安全な進め方は、本の名前と著者を紹介したうえで、動画では自分で作ったときの感想や工夫を中心に話し、詳しい分量は「本をご覧ください」と案内することです。
ほかの動画を参考にして作るとき
他のクリエイターの動画を見て、同じ料理を作りたくなることもあります。その場合は、構成、字幕、カット割りなどの表現を真似しないようにして、自分の手順と撮影で作り直します。似すぎた動画は、視聴者からも「パクリ」と受け取られる可能性があり、信頼を損ねます。
オリジナルの動画を作るためには、自分なりの視点(時短、少ない材料、失敗しない工夫)を加えることが大切です。
迷ったときの相談先
著作権に関する判断は、状況によって異なります。権利者に直接問い合わせる、出版社や公式窓口に確認する、必要に応じて弁護士や専門家に相談する、といった方法があります。文化庁などの公的機関の情報も参考になります。
問い合わせるときは、利用の目的、使用する範囲、投稿先を具体的に伝えると、回答をもらいやすくなります。許可をもらったら、その内容を記録として残しておいてください。
チェックリスト:投稿前の確認
投稿前に、文章をそのまま写していないか、他人の写真や映像を使っていないか、参考にした本や人を必要に応じて明記したか、許可が必要な使い方をしていないか、を確認します。確認の習慣が、あなたの動画と、元のクリエイターの両方を守ります。
よくある質問
Q. 料理名は自由に使えますか。 A. 一般的な料理名は使えますが、店の商品名や登録商標が含まれる場合は注意してください。
Q. 材料と分量だけなら使えますか。 A. 事実としての分量が保護されにくいとされる一方、並びや表現の写し取りには注意が必要です。迷うときは確認を。
まとめ
レシピは、アイデアは自由に使い、表現は自分の言葉と映像で作るのが基本です。料理本やほかの動画をそのまま使わず、実際に作って自分の言葉で書きましょう。迷ったときは、権利者に確認する習慣をつけてください。